小林秀雄マルクス(2020=12)

小林秀雄マルクスというテーマで、長々と連載を続けてきたが、そろそろ終わりにしようかと思っている。

私は、マルクスエンゲルスの差異、あるいはマルクスマルクス主義の差異について、多くのページをさいてきた。そこで、私は、一貫して、「エンゲルス的思考」や「マルクス主義的思考」に対して否定的であった。それは、私が、小林秀雄にならって、マルクスを、つまりマルクス的思考の重要性を力説し強調してきたからだ。しかし、言うまでもなく、思想や哲学としてのマルクス主義の、異常な「流行」と「伝搬」、そしてその「影響力」は、マルクスと言うよりもマルクス主義によるものだった。