森ゆうこ議員の国家戦略特区に関する質問通告に関して 2019年10月14日 11:30

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森ゆうこ議員の国家戦略特区に関する質問通告に関して
2019年10月14日 11:30
原 英史
政策工房 代表取締役社長
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森ゆうこ参議院議員(国民民主党)から、10月15日の参議院予算委員会に、国家戦略特区に関して参考人出席するよう要請があった。内閣府経由で、質問通告と出席要請の連絡があったのは11日(三連休をはさんで実質的に前日)の夜20時頃。さすがに無理だ。


参議院インターネット中継より:編集部

それ以前に、この期に及んで、私があたかも不正行為の容疑者かのような扱いで、国会に参考人として呼ばれることには、強く違和感がある。

そもそも6月11日に毎日新聞で、国家戦略特区WGに関して私が「200万円」を受け取り「会食接待」を受けたかのような記事が掲載された。こうした事実は全くない。



毎日新聞社とは訴訟係属中だが、訴訟で同社は、私が直接ないし間接に実質的に金銭を受け取ったことを報じたわけではないと主張。表向き記事訂正はしていないものの、報道内容の根幹部分を事実上はすでに撤回したとも受け取れる状態だ。

ところが、その後も、一部の国会議員の方々は「国家戦略特区利権隠ぺい疑惑 野党合同ヒアリング」を開催し、私が収賄罪相当の行為をしたなどと、事実無根の誹謗中傷発言を続けている。こうした発言をした議員には順次、訴訟を提起ないし準備中だ。

今後この件の議論は、必要あれば、国会のように一方的に質問を受ける場ではなく、法廷その他、双方の主張を戦わせる場で行いたいと考えている。

森ゆうこ議員の質問通告は、内閣府から確認した限りでは、特区ビジネスコンサルティング社(以下「特区ビジネス社」)に関して私に質問したいとのことだったらしい。この会社は、毎日新聞記事で、「200万円」を直接受け取った(そして、同社と私に特別な「協力関係」があり、結局、私が金銭を受け取った)として取り上げられた会社だ。



予算委員会で本当にこんな質問をされるつもりなのかは存じ上げない。また、多くの人たちにとっては、およそどうでもよいことだと思うので気が引けるが、以下では全く念のため、これまで反論文で繰り返してきた内容をもう一回説明しておく。

1)特区ビジネス社の当時の経営者と面識があるが、それだけだ。私は、特区ビジネス社の経営に携わったことも、同社から一円ももらったこともない。知人の中に会社経営している人は数えきれないほど存在し、そうした数多くの会社の一つに過ぎない。

2)次に、国家戦略特区のプロセスで、提案者に情報提供・助言することは、特区WG委員の務めだ。知人だろうがなかろうが、私は、依頼があれば可能な範囲で最大限対応している。当たり前だが、それで報酬を受け取ることなどない。

特区ビジネス社やその顧客に対しても、情報提供・助言を行ったことがある。本来任務だから当然だ。それと、特区ビジネス社とその顧客との取引は、何も関係がない。いかなる観点でも、私が不適切な行為をしたと指摘されるいわれがない。

こうした説明を何度も公開してきたにもかかわらず、野党合同ヒアリングでは、「特区ビジネス社に支払われたコンサル料の見返りとして、私が助言を行った」と決めつける発言が繰り返されている。事実無根だ。助言は本来任務であり、私は何ら特別な便宜を図ったことも利益を得たこともなく、対価関係が生じる余地は全くない。



また、毎日新聞はずっと、特定の提案者に助言すると「利益相反」が生じると指摘している。これは、規制改革は、実現すれば提案者以外にも裨益するプロセスであることを根本的に取り違えた指摘だ。この点は、八田達夫・国家戦略特区諮問会議民間議員らも繰り返し抗議している。

(参考)八田達夫氏ブログ「10月11日の国家戦略特区に関する毎日新聞記事について」

3)森ゆうこ議員はこれまで、6月の参議院本会議などで、「原座長代理の政治団体と特区ビジネス社は住所が同じ」などと強調し、あたかも私と同社が実質的に同一視される存在かのような発言をしている。特に政治家の方々などは、「自分の政治団体と同じ住所」と聞くと、実質的に一体じゃないかと思うかもしれないが、全く事実と違う。

まず、私は政治家ではなく、立候補したこともするつもりもないので、「原座長代理の政治団体」なるものは存在しない。私は、本業以外に、複数の団体・公的機関などで役職を務めており、その一つとして、地方議会の活動に関して問題提起などを行う政治団体でかつて役職を務めた。その政治団体が特区ビジネス社に事務作業を委託し、業務委託の一環として登記上の住所が同一になっていたことがあったにすぎない。役職を務める機関の業務委託先などは無数にあり、それでいちいち実質的に同一視されるいわれがない。

しかも、もともと「住所が同一」などを材料に、私が「金銭を受け取った」との記事を掲載した毎日新聞は、今や訴訟では、そんなことを報じたつもりはないと主張しており、この議論はもう決着済みのはずだ。

4)野党合同ヒアリングでは、私が「公務員であれば収賄罪」に相当する行為を行ったかのような発言もなされている。これも、事実無根の悪質な誹謗中傷だ。

念のためながら、公務員の場合、自ら賄賂を受け取るだけでなく、第三者に賄賂を供与させるなどの行為も犯罪になるが、私が特区ビジネス社に顧客を紹介して契約締結をさせたなどの事実も一切存在しない。

事実に反する誹謗中傷は行ってはならない。大きな社会的影響力を持つ国会議員ならばなおさらだ。今後、これ以上の不法な言論が繰り返されないように願っている。

原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。

編集部より:この記事は原英史氏のFacebook投稿をベースに一部加筆・作成されました。

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