「中庸」引用文

〓〓〓〓以下引用〓〓〓〓
 左翼でなければ右翼、進歩主義でなければ反動主義、平和派でなければ好戦派、どっちも付かぬ意見を抱いている様な者は、日和見主義者といって、ものの役には立たぬ連中である。そういう考え方を、現代の政治主義ははやらせている。もっとも、これを、考え方と称すべきかどうかは、甚だ疑わしい。何故かというと、そういう考え方は、凡そ人間の考え方の自立性というものに対するひどい侮蔑を含んでいるからである。現代の政治が、ものの考え方など、権力行為という獣を養う食料くらいにしか考えていないことは、衆目の見るところである。

 昔、孔子が、中庸の徳を説いたことは、誰も知るところだが、彼が生きた時代もまた、政治的に紛乱した恐るべき時代であったことを念頭に置いて考えなければ、中庸などという言葉は死語であると思う。おそらく、彼は、行動が思想を食い散らす様を、到るところに見たであろう。行動を挑発しやすいあらゆる極端な考え方の横行するのを見たであろう。行動主義、政治主義の風潮の唯中で、いかにして精神の権威を打ち立てようかと悩んだであろう。その悩ましい思索の中核に、自ら中庸という観念の生まれて来るのを認めた。そういう風に、私には想像される。そういう風に想像しつつ、彼の言葉を読むと、まさにそういう風にしか、中庸という言葉は書かれていないことが解る。

 中庸を説く孔子の言葉は、大変烈しいものであって、いわゆる中庸を得たものの言い方などはしていないのである。
 「天下国家モ均シクス可シ、爵禄モ辞ス可シ、白刃モ踏ム可シ、中庸ハ能クス可カラザルナリ」
 つまり、中庸という実践的な智慧を得るという事に比べれば、何もかも皆易しいことだと言うのである。なぜ、彼にはこんな言い方が必要だったのだろうか。無論、彼の言う中庸とは、両端にある考え方の間に、正しい中間的真理があるというような、簡単な考えではなかったのであって、上のような言い方は、彼が考え抜いた果てに到達した思想が、いかに表現しがたいものであったかを示す。様々な種類の正しいと信じられた思想があり、その中で最上と判定するものを選ぶことなどが問題なのではない。およそ正しく考えるという人間の能力自体の絶対的な価値の救助とか、回復とかが目指されているのだ。そういう希いが中庸と名づけられているのである。彼の逆説的な表現はこの希いを示す。私はそう思う。

 「中庸ハ其レ至レルカナ」

 ところで、彼が、君子の中庸と、小人の中庸と区別して記しているのは興味あることだ。君子の中庸は「時ニ中ス」と言い、小人の中庸は「忌憚ナシ」と言う。こんなことは空想家には言えないのである。中庸という過不及のない、変らぬ精神の尺度を、人は持たなければならない、という様な事を孔子は言っているのではない。いつも過不及があり、いつも変っている現実に即して、自在に誤たず判断する精神の活動を言っているのだ。そういう生活の智慧は君子の特権ではない。誠意と努力とさえあれば、誰にでも一様に開かれている道だ。ただ、この智慧の深さだけが問題なのである。君子の中庸は、事に臨み、変に応じて、命中するが、そういう判断の自在を得ることは難しく、小人の浅薄な中庸は、一見自由に見えて、実は無定見に過ぎない事が多い。考えに自己の内的動機を欠いているが為に、却って自由に考えている様な恰好にも見える。つまり「忌憚なし」である。

 孔子は一生涯、倦まず説教し通したが、説教者の特権を頼む事の最も少なかった人である。遂に事ならず窮死したが、「君子固ヨリ窮ス」と嘆いただけで、殉教者の感傷の如きものは、全く見られない。深い信仰を持っていたが、予言者めいたところは少しもなかった。それどころか、彼の智慧には常に健全な懐疑の裏打ちがあったように思われる。彼は、だれのこころのうちにも、予言者と宣伝家とがひそんでおり、これが表に現れて生長すると、世の中にはろくなことは起こらぬことを看破していたようである。真理の名の下に、どうあっても人々を説得したい、肯じえない者は殺してもいい、場合によっては自分が殺されてもいい。ああ、何たる狂人どもか。そこに孔子の中庸という思想の発想の根拠があった様に、私には思われる。

 無論、私は説教などしているのではない。2千余年も前に志を得ずして死んだ人間の言葉の不滅を思い、併せて人間の暗愚の不滅を思い、不思議の感をなしているのである。
〓〓〓〓引用終了〓〓〓〓



〓〓〓〓
 左翼でなければ右翼、進歩主義でなければ反動主義、平和派でなければ好戦派、どっちも付かぬ意見を抱いている様な者は、日和見主義者といって、ものの役には立たぬ連中である。そういう考え方を、現代の政治主義ははやらせている。もっとも、これを、考え方と称すべきかどうかは、甚だ疑わしい。何故かというと、そういう考え方は、凡そ人間の考え方の自立性というものに対するひどい侮蔑を含んでいるからである。現代の政治が、ものの考え方など、権力行為という獣を養う食料くらいにしか考えていないことは、衆目の見るところである。

 昔、孔子が、中庸の徳を説いたことは、誰も知るところだが、彼が生きた時代もまた、政治的に紛乱した恐るべき時代であったことを念頭に置いて考えなければ、中庸などという言葉は死語であると思う。おそらく、彼は、行動が思想を食い散らす様を、到るところに見たであろう。行動を挑発しやすいあらゆる極端な考え方の横行するのを見たであろう。行動主義、政治主義の風潮の唯中で、いかにして精神の権威を打ち立てようかと悩んだであろう。その悩ましい思索の中核に、自ら中庸という観念の生まれて来るのを認めた。そういう風に、私には想像される。そういう風に想像しつつ、彼の言葉を読むと、まさにそういう風にしか、中庸という言葉は書かれていないことが解る。

 中庸を説く孔子の言葉は、大変烈しいものであって、いわゆる中庸を得たものの言い方などはしていないのである。
 「天下国家モ均シクス可シ、爵禄モ辞ス可シ、白刃モ踏ム可シ、中庸ハ能クス可カラザルナリ」
 つまり、中庸という実践的な智慧を得るという事に比べれば、何もかも皆易しいことだと言うのである。なぜ、彼にはこんな言い方が必要だったのだろうか。無論、彼の言う中庸とは、両端にある考え方の間に、正しい中間的真理があるというような、簡単な考えではなかったのであって、上のような言い方は、彼が考え抜いた果てに到達した思想が、いかに表現しがたいものであったかを示す。様々な種類の正しいと信じられた思想があり、その中で最上と判定するものを選ぶことなどが問題なのではない。およそ正しく考えるという人間の能力自体の絶対的な価値の救助とか、回復とかが目指されているのだ。そういう希いが中庸と名づけられているのである。彼の逆説的な表現はこの希いを示す。私はそう思う。

 「中庸ハ其レ至レルカナ」

 ところで、彼が、君子の中庸と、小人の中庸と区別して記しているのは興味あることだ。君子の中庸は「時ニ中ス」と言い、小人の中庸は「忌憚ナシ」と言う。こんなことは空想家には言えないのである。中庸という過不及のない、変らぬ精神の尺度を、人は持たなければならない、という様な事を孔子は言っているのではない。いつも過不及があり、いつも変っている現実に即して、自在に誤たず判断する精神の活動を言っているのだ。そういう生活の智慧は君子の特権ではない。誠意と努力とさえあれば、誰にでも一様に開かれている道だ。ただ、この智慧の深さだけが問題なのである。君子の中庸は、事に臨み、変に応じて、命中するが、そういう判断の自在を得ることは難しく、小人の浅薄な中庸は、一見自由に見えて、実は無定見に過ぎない事が多い。考えに自己の内的動機を欠いているが為に、却って自由に考えている様な恰好にも見える。つまり「忌憚なし」である。

 孔子は一生涯、倦まず説教し通したが、説教者の特権を頼む事の最も少なかった人である。遂に事ならず窮死したが、「君子固ヨリ窮ス」と嘆いただけで、殉教者の感傷の如きものは、全く見られない。深い信仰を持っていたが、予言者めいたところは少しもなかった。それどころか、彼の智慧には常に健全な懐疑の裏打ちがあったように思われる。彼は、だれのこころのうちにも、予言者と宣伝家とがひそんでおり、これが表に現れて生長すると、世の中にはろくなことは起こらぬことを看破していたようである。真理の名の下に、どうあっても人々を説得したい、肯じえない者は殺してもいい、場合によっては自分が殺されてもいい。ああ、何たる狂人どもか。そこに孔子の中庸という思想の発想の根拠があった様に、私には思われる。

 無論、私は説教などしているのではない。2千余年も前に志を得ずして死んだ人間の言葉の不滅を思い、併せて人間の暗愚の不滅を思い、不思議の感をなしているのである。
〓〓〓〓引用終了〓〓〓〓



〓〓〓〓
 左翼でなければ右翼、進歩主義でなければ反動主義、平和派でなければ好戦派、どっちも付かぬ意見を抱いている様な者は、日和見主義者といって、ものの役には立たぬ連中である。そういう考え方を、現代の政治主義ははやらせている。もっとも、これを、考え方と称すべきかどうかは、甚だ疑わしい。何故かというと、そういう考え方は、凡そ人間の考え方の自立性というものに対するひどい侮蔑を含んでいるからである。現代の政治が、ものの考え方など、権力行為という獣を養う食料くらいにしか考えていないことは、衆目の見るところである。

 昔、孔子が、中庸の徳を説いたことは、誰も知るところだが、彼が生きた時代もまた、政治的に紛乱した恐るべき時代であったことを念頭に置いて考えなければ、中庸などという言葉は死語であると思う。おそらく、彼は、行動が思想を食い散らす様を、到るところに見たであろう。行動を挑発しやすいあらゆる極端な考え方の横行するのを見たであろう。行動主義、政治主義の風潮の唯中で、いかにして精神の権威を打ち立てようかと悩んだであろう。その悩ましい思索の中核に、自ら中庸という観念の生まれて来るのを認めた。そういう風に、私には想像される。そういう風に想像しつつ、彼の言葉を読むと、まさにそういう風にしか、中庸という言葉は書かれていないことが解る。

 中庸を説く孔子の言葉は、大変烈しいものであって、いわゆる中庸を得たものの言い方などはしていないのである。
 「天下国家モ均シクス可シ、爵禄モ辞ス可シ、白刃モ踏ム可シ、中庸ハ能クス可カラザルナリ」
 つまり、中庸という実践的な智慧を得るという事に比べれば、何もかも皆易しいことだと言うのである。なぜ、彼にはこんな言い方が必要だったのだろうか。無論、彼の言う中庸とは、両端にある考え方の間に、正しい中間的真理があるというような、簡単な考えではなかったのであって、上のような言い方は、彼が考え抜いた果てに到達した思想が、いかに表現しがたいものであったかを示す。様々な種類の正しいと信じられた思想があり、その中で最上と判定するものを選ぶことなどが問題なのではない。およそ正しく考えるという人間の能力自体の絶対的な価値の救助とか、回復とかが目指されているのだ。そういう希いが中庸と名づけられているのである。彼の逆説的な表現はこの希いを示す。私はそう思う。

 「中庸ハ其レ至レルカナ」

 ところで、彼が、君子の中庸と、小人の中庸と区別して記しているのは興味あることだ。君子の中庸は「時ニ中ス」と言い、小人の中庸は「忌憚ナシ」と言う。こんなことは空想家には言えないのである。中庸という過不及のない、変らぬ精神の尺度を、人は持たなければならない、という様な事を孔子は言っているのではない。いつも過不及があり、いつも変っている現実に即して、自在に誤たず判断する精神の活動を言っているのだ。そういう生活の智慧は君子の特権ではない。誠意と努力とさえあれば、誰にでも一様に開かれている道だ。ただ、この智慧の深さだけが問題なのである。君子の中庸は、事に臨み、変に応じて、命中するが、そういう判断の自在を得ることは難しく、小人の浅薄な中庸は、一見自由に見えて、実は無定見に過ぎない事が多い。考えに自己の内的動機を欠いているが為に、却って自由に考えている様な恰好にも見える。つまり「忌憚なし」である。

 孔子は一生涯、倦まず説教し通したが、説教者の特権を頼む事の最も少なかった人である。遂に事ならず窮死したが、「君子固ヨリ窮ス」と嘆いただけで、殉教者の感傷の如きものは、全く見られない。深い信仰を持っていたが、予言者めいたところは少しもなかった。それどころか、彼の智慧には常に健全な懐疑の裏打ちがあったように思われる。彼は、だれのこころのうちにも、予言者と宣伝家とがひそんでおり、これが表に現れて生長すると、世の中にはろくなことは起こらぬことを看破していたようである。真理の名の下に、どうあっても人々を説得したい、肯じえない者は殺してもいい、場合によっては自分が殺されてもいい。ああ、何たる狂人どもか。そこに孔子の中庸という思想の発想の根拠があった様に、私には思われる。

 無論、私は説教などしているのではない。2千余年も前に志を得ずして死んだ人間の言葉の不滅を思い、併せて人間の暗愚の不滅を思い、不思議の感をなしているのである。
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森友・加計問題安倍答弁 2019年10月14日 虎ノ門ニュース 高橋洋一×田北真樹子 質問通告漏洩疑惑問題

森友・加計問題安倍答弁
2019年10月14日 虎ノ門ニュース 高橋洋一×田北真樹子
質問通告漏洩疑惑問題
2019/10/1109:00 0 0

関連部分を抜粋し文字起こし。






高橋洋一
何にするかなぁ

田北真樹子:
赤線、赤線引いてるじゃないですか。ここに。

高橋洋一
ちょっと、ちょっと、ちょっとあれだけど、も、森議員の話。
これねぇ、ちょっとネタとしてはあれだけど、こまいんだけど。

居島一平
森議員 質問通告遅れる? クエスチョンマーク付き、省庁深夜残業か、とありますが、続けて深入り参りましょう。
こちらは産経新聞の記事の概要を説明いたしますと、国民民主党玉木雄一郎代表は12日自身のツイッターで同党の森ゆうこ参議院議員参議院予算委員会の質問通告が遅れたため台風19号が迫っていた11日に省庁職員が深夜まで答弁の準備をしいられたとの指摘があるとして調査する考えを示しました。
森氏は参議院予算委員会で15日午前9時から質問に立つ予定で、森氏は自身のツイッターで11日午後4時半に通告済みだとし、同日午後5時の通告期限より前だったと主張しています。
これに対しインターネットの掲示板やツイッターでは森氏側の質問通告は夕刻以降五月雨式に続いたため深夜まで作業を強いられたなどとする反論が多数投稿される異例の事態となっています、とありますけれども。

高橋洋一
うん、あのー、質問通告ってのは、まああの、えーと、その前の前の日、なんだから、これはこれで、もしきちんとやってればそれでいいんですけどね。
えーと、私も通告書を見ましたよ。
そしたらね、あの、まあ、箇条書きでポンポンポンって書いてあって、すんごく広かったんだけど、それでさらに追加が来てて。
あれ、はっきり言うとね、あの質問通告で、最初の質問通告で終わりでよかったってレベルだと思いますよね。
何考えてるのかな、この人はって感じだったね。
要するに最初っからアバウトなわけ。
だからこれはこれでいいんで、それであとでいろいろバタバタしてきたっていうから、それは悪かったんだと思いますね。
最初の質問通告だけで、まああの終わりにしておけば、よかったのになぁと私思いましたけどね。
その中にね、私の関連も入ってた。
だからちょっと、役所の方から、役所の方から来たんですよ(笑いながら)
ふふん。
うん、関連ありますよっつって。
私も思わず「おっ」「あれ、あれあれあれ」と思ってたんだけど。
あんま、はっきりいうと私の大学でね、私がね、あの、要は、要はね、影響力を使ってプレッシャーをかけたっていう風なストーリーらしいんだけど。
それはでもね、あのー、実は言っておきますよ、森さんに。
毎日新聞も、その取材に来たんだけど、私にすら取材ができなくて、記事になってませんから、これは。
無駄。
だから多分これは誰かがこれは無駄無駄って言ったから、また他の差し替えたりして、こういう形になっちゃったのかなって気がしますね。

田北真樹子:
でもそれって、毎日新聞が高橋さんに取材に来た内容を

高橋洋一
書いてない

田北真樹子:
いやあの、その書いてた内容をね。
でも結局森さんは毎日もそこに注目してるって知ってた。

高橋洋一
勿論知ってたんでしょ。
だから記事にも乗ってない話を、どうしてこれ、知ってるの?
私ね、私はそれがすごく不思議に思ってね。
あの、新聞記事になってないんですよ。
取材は、取材は来ました。で、取材は来たんだけども、あの、まあ、私には来なかったんだけど、あのー、まあ、私には来なくて、私の周りには来ました。
でー、あのー、どうして新聞にも載ってないようなことが、このー、この、森さんは知っているの。
そりゃ、あれ、でしょ、毎日がリークしたとしか考えられないでしょ。
不思議だね、これ、ねー。


田北真樹子
森さんを使って、国会の場でなんだか聞き出そうというそういうのが働いてもおかしくはないですよね?

高橋洋一
あのね、思うとね、まあ毎日新聞と、この野党の森さん達がね、お互いにやってるって感じ

田北真樹子
PTつくってね。

高橋洋一
そうそう。

田北真樹子
はいはい。

高橋洋一
それでね、でも、新聞記者として、取材で、記事にものってない話をどうして知ってるの?
おかしくない? なんか。
こんな、こんなことが行われている、こんなの、はっきり言って、出てきてもいいですよ。
なんだったら、私を国会に呼べ、っていう感じだよね。
そしたら全部答えてやるよ。うん。
じゃ、取材、取材にも来れなかったの、はっきり言って、毎日が。
だって、しゅ、直接、首謀者に直接取材が来てないのに記事になるわけがないじゃない。
それが、森さんが、書いてあってね、質問通告してあるから「えー」ってなって、思いましたよ私は。

田北真樹子:
ちなみに、高橋さん、それは省庁のほうから、あの担当課、担当の人から、いつ連絡がきたんですか。

高橋洋一
えーとね、これね、質問通告が終わった後ですよね。
やっぱりね・・・

田北真樹子:
12日?(10月12日金曜日)

高橋洋一
えっと、じゅうに、じゅう・・・えっと、金曜か、どっちだったかな、なんか。
うん、土曜だったかな。

田北真樹子:
結局土曜日だ、やっぱり。

高橋洋一
そうそうそう、土曜日に来た。

田北真樹子:
あー、なるほどね。

高橋洋一
だから勿論ね、省庁の人も来てすぐはね、こんなのと思って、言わないでしょ。
うん!

居島一平
別の形のワーキンググループってね。

高橋洋一
いや、いや、これはね、はっきり言って、あの、新聞とあの、グル、グル、グルっつっちゃいけないけど。
これで、新聞がこういう風に出たって聞いて、それをまた新聞にするってそういう形。
こういうのやってるの、マスコミって。
なんかすごく筋悪いよ、はっきり言えば。
だってこれ、新聞で全然だめで、ダメなのにまた質問して、それをやってるんだけど、ダメだ、ダメな新聞で、ダメな質問してるって、やって、またダメな新聞が、そんな感じになってる。
やればやるほどね、ドツボにはまってってるよ、これ。

居島一平
田北さんもお立場的に、くる、お苦しいでしょうけど・・・・

田北真樹子:
いや、今、雑誌の人間ですから。

いやでも、この質問通告はね、その森さんはね、なんか、あっ、玉木さんの、国民民主党のその代表の玉木さん、の、ツイッターによると、森ゆうこさんは16時半までに、その金曜日の、16時半までに通告はしたって言っているっていうことを言っていましたよね。
でも、もうちょっと調べますと、その週明けで、えー、だので、それがわかったらまた報告しますってことを言っているんですけど。
私ちょっとある筋から聞いたんですけど、その、じゃあ時間、がね、いつだったかっていうのですけどね。
どうもその、金曜日の、23時56分にはじめて質問通告があったそうなんですよ。

高橋洋一
あっ、だから、通告って言うのはね、要するにFAXで送るやつと、それとあと口頭でやってるやつがあるから、これ、だからどちらかがわからないし、それだから確かFAXは遅かったと思うよ。
FAXは遅かった。

田北真樹子:
で、FAXが来て、やっぱ、それがあのちゃんとした質問通告書になるから、やっぱそこで省庁は

高橋洋一
そこが、そこからはじめるんだよね。

田北真樹子:
そうなんですよ。
その前からレクとかいろいろその口頭では色々あるかもしんないけど。
それはばくっとしてたりするし、レクの内容と実際の質問通告内容が変わると、

高橋洋一
違う、

田北真樹子:
そう、違う時があるんですよね。

高橋洋一
よくあるよくある。

田北真樹子:
なのでやっぱり省庁としては待たなきゃいけないわけですよ。

高橋洋一
FAX、FAX、来てからやるの、でー。

田北真樹子:
なお、なおかつ・・・ちょっとごめんなさいね。
でね、その後差し替えたりもあったりしてね、結局最終的なのが、その12日の土曜日の24時39分だったっていうんですよ。

で、もうその、そうなっちゃうと、帰れないんですよね。

高橋洋一
帰れない。

田北真樹子:
多くの霞が関の人は。
んで、森さん、自分でもその、あの、NHKでこういうテーマでやります、っていうと、すごい、もう多くて、ですね。
で、なおかつ、問い合わせ、関係する、その森さんの質問通告に関係する省庁っていうのがね、まっ、総理とか官房長官とかも含むんですけど、13あるんですよ。ま、そん中に・・・

高橋洋一
通告はあれだったよ、あのー、要するに、地方創生っていうのだけだったよ

田北真樹子:
地方創生入ってますよ。

高橋洋一
だけだったよ、うん。(?)

田北真樹子:
少子化もあるし、総理、長官、えー、外務省、財務省金融庁文科省厚労省農水省経産省国交省環境省少子化担当、担当・・・地方創生。

高橋洋一
まああの、予算委員会だから、あのー、それはあの、まあね、言ってもいいんだよね。
言ってもいいんだけど、
いっぱい、要はね、森さん自身が、要は質問が整理されてない、なかったって話なんだけど。
それでも夜に、夜にやるなよって話だよね。
だから、なんだったら、一番最初の時の、一番最初のやつだけで終わりにしとけばよかったっていう話。
私もそう思いましたけどね。
で、まあだから、要は準備してないと、いうのがはっきりしてて、それで準備してなくて、それを新聞記者を使って準備してるって感じなんだよね。
はっきり言えば。
こんなのもう国会議員ちゃんとやってんのかってレベルだと思いますよ、私は。

田北真樹子:
怒ってます

高橋洋一
そりゃ、だって、ちょっと関係はあったしね。
ほいで振り回されたから、本当に。こんなので。
いや、だから、実は質問してもらいたい。

参考人に呼べ!

って感じ。

田北真樹子:
でも今日、高橋さんいて良かったですね。
これ、今の貴重です。高橋さん、他のとこいってないもんね、まだ。

高橋洋一
だって、もうそうやって裏でやんなきゃいけないから、あのー、そ、そ、そ、なんていうの、そそうがあってはいけないから、役所の人も結構大変なんですよ。
うん。
でね、それで対応するのは事実なんだけど、ま、そりゃ、仕事といえば仕事なんだけど。
まぁこの土日、にね、ちょっと非常識だと思いますよ。普通はね、あのやっても金曜日の夜まで。これまで金曜日の夜ぐらいだったらまあね、これ、もうギリギリ、ま、しょうがないかなって。
土日って休みでしょ。
もうはっきり台風も来てて。
これ、なんだって感じだよ、これ。

田北真樹子:
台風来てたよりにもよってって話だし。

高橋洋一
私なんかFAXで受けるだけだから、あとで連絡来るだけだから、まぁ楽と言えば楽なんだけど。
実際、行ってやってる人なんて居るわけだから。うん。
こ、ここ、これは、あれだよね、もう、質問をもうちょっと、平日にやらなきゃ。
土日はちょっと、思いますよ。はっきり言えば。うん。

田北真樹子:
いやなんかね Twitter とかでこれに関してね、これをこの問題を、森さんのその質問通告遅れたことをね、その Twitter とかに書き込んだ官僚がね、おかしいとか言っていう人がいるんですけど。

高橋洋一
さすがに腹が立ったんだよ、これ。

田北真樹子:
でもね、このあの質問通告を時間通りまだ痛い17時までに出さなきゃいけないみたいなあって、でもそこを守らないっていうのが、もうその今の野党はもう常態化してるんですよね。結構ね。
うん、で、それでやっぱりその官僚としては、いや、そりゃやりますよと、でもさすがにこれはないんじゃないの、さすがに台風が来るって言われててね、金曜の午後から、もうね電車と、いろんなところでインフラがね、麻痺しつつあった中でね。あのさすがにこれはないんだろうって多分切れたと思うんですよ。
だから別に今回の森さん、ね、そりゃいろいろとあの毀誉褒貶のある人ではあるけれども、その質問しようと言うねその意気込みはよしとして、まあそれをやるんだったら、もうちょっとね、あの官僚側からも理解を得られるやり方でやった方が、ねぇ。あのやっぱ民主党政権ときね、やっぱ、霞ヶ関を相当敵にまわしたじゃないですか。まあ結局はね、あれを引きずってますよねなんとなくね。まあ、わかんないですよ、私、森さん知らないからあまり言い過ぎたら失礼ですけど、あの、申し訳ないんですけれども。そんな印象を受けましたよね。





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国会の「質問通告漏洩」問題ーフジテレビ(羽山寛)

野党の“見える化
「信頼関係は完璧に壊れた!」 “質問内容流出”に猛反発の野党  対抗策の実
2019年10月25日 金曜 午前6:30

野党は、国民民主党森ゆうこ議員の質問内容が“流出”したと批判
政府は「漏洩の事実はない」と全面否定
野党の対抗策「質問通告の簡素化」 官僚から「仕事増える」と疑問の声も
野党が猛反発!国会の「質問通告漏洩」問題
野党議員の「質問通告漏洩」問題が、国会で波紋を広げている。
国民民主党森ゆうこ議員が15日の参議院予算委員会で質疑に立った際に、政府側に通告した質問内容が事前に漏れていた可能性があるというのだ。
森議員らは、16日の記者会見で、政府の対応を厳しく批判した。


国民民主党・原口国対委員長森ゆうこ参院議員らの記者会見(10月16日)
日本国憲法において、規定されている国会議員の発言の自由、それを守る憲法そのものに対する挑戦だ」(国民民主党森ゆうこ参院議員 16日・記者会見)

森ゆうこ議員・質問要旨配布資料外部流出事件として追及していく」
(国民民主党・原口国対委員長 同上)

森議員によると、15日の予算委員会の質問内容を11日に政府側に通告していたが、質疑の前日の14日に、ある大学教授がインターネット番組で「(森議員の)質問通告をみた。私の関連も入っていた。役所の方から(情報が)来た」などと語ったという。

国民民主党森ゆうこ議員の質問(10月15日・参院予算委員会)
こうした背景には、森議員のこの日の質問内容の通告が遅かったとする、官僚によるものとみられる書き込みを端緒に、インターネット上で森議員に対する批判が出ていたことがある。

「国会の質疑権というものをこうした形で脅かすようなことは、本当に、民主主義の根幹に関わる問題だ」(立憲民主党・枝野代表 17日 常任幹事会)

立憲民主党・枝野代表 (10月17日・常任幹事会 )
野党側は、「国家公務員の守秘義務違反」、「国会議員の質問権の侵害だ」と批判。
立憲民主党などの野党統一会派は調査チームを立ち上げ、真相を明らかにしていくとしている。

政府は「漏洩の事実はない」
これに対し、23日の衆議院内閣委員会で、北村地方創生担当相は、「内閣府から通告内容が漏洩した事実はない」と真っ向から野党の批判を否定した。

北村地方創生担当相の答弁(23日 ・衆院内閣委員会)
北村大臣は、「森ゆうこ議員から内閣府事務局に対し、原英史・国家戦略特区ワーキンググループ座長代理に対する参考人招致の要請と質問通告があった。これを受け、原氏に参考人招致の要請を伝えるとともに、(招致の)諾否の判断を求めるため、質問通告の内容を送付した」と述べた。
北村大臣によると、質問通告の内容に個別の大学名があったため、原氏が「私人としての判断」で、その大学の教授に電話とメールで連絡し、大学教授がネット番組で通告について明らかにしたという。
そして、北村大臣は、内閣府は大学教授に直接接触はしていないと強調し、「責任問題が生じた時は責任を取る」とまで言い切った。

100年近い伝統が?「質問通告」とは
衆議院本会議 安倍首相の答弁 (10月7日)
そもそも質問通告は、本会議や委員会の場で、安倍首相を含めた閣僚や政府の担当者が答弁する際、答弁の準備ができるよう、質問の内容や概要を事前に伝えるものだ。実際には、通告は各省庁の事務方を通じて行われる。国会での議論を深めるため、国会での質問通告は与野党の「慣例」となっている。
いつからこの慣例が始まったのかは不明だが、国会の事務局によると、第50回帝国議会が開催されていた1925年に初めて通告が行われたという説があるという。

また、質問通告が遅いため、各省庁の担当者が夜遅くまで残業せざるを得ないと、これまでも指摘されてきた。
与野党はこれまで、「質問者は原則として、前々日の正午までに、質問の趣旨等について通告する」(1999年)、「国家公務員の過剰な残業是正等を行うため、速やかな質問通告に努める」(2014年)などと申し合わせてきた。

野党は「簡素な通告文」で対抗
しかし、立憲・国民などの野党の共同会派は、この問題で「信頼関係は完璧に壊れた」として、当面の間、政府への質問通告を簡素化する方針を発表した。

自民・立憲・国民 国会対策委員長会談 (10月18日)
「質疑の信頼関係を壊すものなので看過できない。」
(国民民主党・原口国対委員長 18日)

18日の自民・立憲・国民の国対委員長会談で、野党側は「一定の前進があるまでは、“以前の自民党が行っていたような”簡潔な通告文で行いたい」との方針を与党に伝えた。

小泉環境相も野党時代は“一行通告”
では、野党側がいう「以前の自民党」とは、どういうことなのか?
その一例として、野党側が提示したのが、民主党政権時代、つまり自民党が野党だった時代の小泉環境相、菅原経産相、河井法相の過去の予算委員会の質問要旨だ。

小泉環境相 国会での答弁
2011年2月に小泉氏が提出した質問要旨には、「政権交代について」「政治不信について」「そのほか」の三行しかなかった。
2012年2月の菅原氏の質問要旨も、「政府の円高・デフレ政策について」、「日本銀行の金融政策について」、「そのほか」の三行だけだ。
2011年12月の河井氏の質問要旨にいたっては、「閣僚の資質と任命責任について」と一行しかない。

野党側は、民主党政権に対する野党・自民党の対応を引き合いに、「簡素な通告」にすると主張しているのだ。

野党側の狙いとは・・・「国会審議が深まらない」危機
野党の共同会派は、「簡素な質問通告」によって質問内容の流出は防げるので、必要な対応だと主張している。

これに対して、ある政府関係者は「通告がないから『お答えできません』と発動するだけだ」と冷ややかな見方を示す。
一方、立憲民主党の関係者が「一行通告だと国会の議論が深まらない」と語るように、野党内からも批判的な声が聞かれる。
また、答弁を用意する官僚の側からも「我々の仕事が増えるだけだ」との疑問の声も出ている。通告が簡素だと、逆に幅広い想定問答を用意しなければならず、かえって疲弊するというのだ。

そもそも、森ゆうこ議員をめぐっては、台風が接近する中なのに、質問の通告が遅かったとの指摘があり、「この問題をすり替えようとしているのではないか」との声も出ている。

「質問通告漏洩」問題では、一部の野党は、参議院予算委員会で再発防止策が講じられることが必要だと要求しているが、今のところ落としどころは見えない。

激しさを増す、質問通告をめぐる野党の批判。対立がエスカレートすれば、国会での議論がかみ合わず、水掛け論に発展する危険性もある。国会の議論のあり方が問われるだけに、建設的な解決策が見出されることを期待したい。

(フジテレビ 政治部 野党担当 羽山 寛)


野党の“

高橋洋一【日本の解き方】「質問通告問題」で野党の言動は、官僚への“パワハラ”ではないか ツイート日時でも不可解な主張

zakzak

【日本の解き方】「質問通告問題」で野党の言動は、官僚への“パワハラ”ではないか ツイート日時でも不可解な主張
2019.11.1
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森ゆうこ
森ゆうこ
 本コラムでは、森ゆうこ参議院議員(国民民主党)が10月15日に参議院予算委員会で行った国会質問をめぐる問題を取り上げてきた。

 台風19号が接近していた11日、同議員の質問通告が遅れ、各省庁の職員らが待機を余儀なくされたとツイッターで告発したことが発端だったが、通告内容が漏れていたと責任がすり替えられた。そして筆者自身も巻き込まれた経緯や事実関係を書いた。


 しかし、国民民主党立憲民主党は、通告遅れの調査をせずに、「漏洩(ろうえい)問題調査チーム」を立ち上げて、官僚を呼び付けた。

 同チームは非公開なので、外部からはさっぱりうかがい知れないが、21日の産経ニュースには、「18日の調査チーム会合では、官僚を怒鳴りつける声が国会の廊下まで響いていた」と書かれている。

 さらに「チームの1人は、高橋氏(筆者)へのヒアリングのため、同氏の携帯番号を役所側に教えたと明かしていた。チームは高橋氏に通告内容が『漏洩』されたと疑っているが、自分たちで電話して聞いたらどうか」とも書かれていた。

 筆者の携帯電話番号を知っている人物といえば、漏洩問題調査チームの複数の議員に心当たりがある。ただし、今のところ、それらの議員から、携帯番号を役所に伝えるという断りの連絡はない。携帯番号という個人情報を随分と粗末に扱う漏洩問題調査チームにはあきれてしまう。そもそも筆者に直接聞けば簡単に分かる話をどうして役人を使って調べようとするのだろうか。

 野党側が、筆者が漏洩された情報を持っていることの「根拠」とするのが筆者のツイッターだ。実際には、15日の森議員の質疑をNHKのテレビ中継で見た際、筆者の写真入りの資料が映っていたので、直後の同日午前11時57分にツイートした。


 しかし、漏洩問題調査チームでは、筆者のツイートは16時間前の「14日19時57分」というタイムスタンプ(日時の刻印)になっていると主張した。

 それを根拠として、23日の衆議院予算委員会で、柚木道義議員(立憲民主党)と今井雅人議員(立憲民主・国民民主会派)は質問し、北村誠吾地方創生相の辞任を要求した。

 ツイート時間が差し替えられた資料は、漏洩問題調査チームの資料としてメンバーの議員が公にしているが、その議論のために官僚が呼ばれている。この官僚は業務なので応じざるを得ないが、そこで理不尽な質問に答え、罵倒されているようだ。まさに国会議員による「パワハラ」ではないか。

 今年5月にパワハラ防止法が成立した。そこでのパワハラの定義は(1)優越的地位(2)必要以上の業務(3)労働悪化-とされる。

 漏洩問題調査チームの野党議員は、国会議員の(1)の「優越的地位」を利用している。筆者に直接聞けば用が済むことを官僚に質問し、(2)の「必要以上の業務」を強いている。その結果、答弁する官僚は事実関係を調べるために、超過勤務を余儀なくされ、(3)の「労働悪化」になっているといえるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一

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国民民主党の森ゆうこ参議院議員の質問通告をめぐる騒動が、どんどんあらぬ方向に進んでいる。

「簡潔な質問通告」で官僚の疲弊はさらに加速。改善するには与野党の協力が必須
室橋祐貴 | 日本若者協議会代表理事
2019/10/21(月) 8:00
(写真:アフロ)

国民の関心は、官僚の残業問題では...?

国民民主党森ゆうこ参議院議員の質問通告をめぐる騒動が、どんどんあらぬ方向に進んでいる。
事の発端は、台風前夜にもかかわらず、週明け(10月15日)の予算委員会での質問準備のために、国会待機を強いられ、深夜残業となった官僚(匿名であるものの、内容を見れば内情をよく知る人物であることは明白)が「悲鳴の声」をSNS上にアップしたことだ。

この「悲鳴の声」はネット上で大きな話題となり、ようやく「国会対応」、「官僚の残業問題」も変わっていくのでは、と期待させた。

台風なのに帰宅できない国家公務員の悲惨な現状(室橋祐貴)

しかし、その期待とは裏腹に、なぜか、途中から「情報漏洩」の話題へとすり替わり、最終的には、政府への事前通告が簡素化されることで与野党一致してしまう、という最悪な展開となっている。

質問項目が事前に「漏れる」ことのどこが「質問権」を侵害するのか、どんな悪影響があるのか全く理解できないので、そちらを深掘りする気にはならない。

むしろ、国会審議に国民の目を向けさせるためには、事前に公開した方が良いのではないだろうか...。(政策論議ではなく、政府答弁からミスを引き出すことを狙いとしていれば、質問を「秘密」にしておきたいのだろうが)

本稿では、そうした枝葉の議論ではなく、本筋である「官僚の残業問題」について考えていきたい。

森議員の質問通告によって「国会待機」が長引いたのは事実
まず、事実確認として、森議員は質問通告期限の11日17時より前の、16時30分に通告済みだと言っているが、追加の説明により、官僚が夜遅くまで残っていたことは国民民主党の代表である玉木雄一郎衆議院議員が会見で認めている。

「現時点で森議員本人や関係官僚の双方当事者から聞いて把握していることは、森議員の質問通告は期限までに出されていたが、追加で森議員から出された詳細説明などの項目があった結果として、台風の中多くの官僚が霞が関に夜遅くまで残ることになってしまったのは事実です」

出典:10月16日 国民民主党チャンネル 玉木代表定例記者会見(11分30秒過ぎから)
同日、10月16日に会見を行った国民民主党原口一博国対委員長によると、森議員が追加で説明したのは、(官僚が)土日に出勤しないですむように「配慮」した結果らしいが、常識的に考えれば、全く「配慮」になっていない。会見中に、質問通告の2日前期限を、13日だと述べているが、官僚は休日出勤が当たり前だとでも思っているのだろうか。

それに、一般的に、ちゃんとした「通告」になっているかは受け手が判断するのであって、答弁の作成準備に移行できなければ、「通告」の役割を全く果たせていない。

ただし、会見に同席した、元郵政省の官僚出身である奥野総一郎衆議院議員だけが唯一、「情報漏洩」と「官僚の深夜残業」は別の問題だと何度も強調していたことは補足しておきたい。

19日に公開した自身のブログでも謝罪の意を表明している。

「最後に、今回の質問通告の際、色々なボタンの掛け違いがあったにしろ、待機(役所での居残り)が深夜まで解除されていなかったとすれば非常に遺憾だ。関係者におわびをさせて頂く。」

出典:質問通告漏えい問題の背景
「簡潔な」質問通告でさらに労働環境は悪化する
その後の顛末は、冒頭述べた通りである。

「最悪な」展開だというのは、「簡潔な」質問通告によって、さらに、官僚の労働環境は悪化するからだ。

質問が詳細であれば詳細であるほど、担当者を決めて想定問答を作りやすく、関係しない省庁・課の官僚は国会待機から解除させることができるが、曖昧な質問であれば、より多くの担当者が大量の想定問答を用意しなければならず、残業が激増することが容易に想像できる。

しかも、答弁時間は限られており、ほとんどの想定問答が無駄に終わるだろう。

一方で、事前レクなしでは、質問者の意図(期待)する回答になるかも不明であり、不毛なやり取りで終始する可能性もある。

質の高い政策論議もできず、無駄な残業ばかりが発生する、そんな状況を誰が望んでいるのだろうか。

政治家の不毛な対立で犠牲になるのはいつも現場の官僚と国民である。

「なぜ官僚が答弁を作成するのか」という疑問の声もあるが、担当大臣の業務範囲は多岐にわたり、一つ一つの詳細について全て把握している人はどこにも存在しないのに加え、国会の答弁は議事録にも残るため、安易に答えられるものではない。

(他方で、官僚が作成した答弁は大臣レク時に修正が入るなど、そのまま答えているわけではない)

仮に、事前に通告していない質問が乱発すれば、ほとんどが「後日回答します」といった内容になり、ますます国会審議が形骸化するのは明らかである。

海外の「質問通告制度」
実際、日本が議院内閣制の範とするイギリスでも、答弁は官僚が作成している。

議員による事前通告は、3会議日前の昼までに書面で通告することが原則である。

他にも、同じく議院内閣制のドイツでは、前週金曜日が期限となっており、こちらも官僚が想定問答を作成する。

フランスは、大臣を中心としたチームのスタッフ(政治任用の補佐官)が答弁を作成するが、原則として会期が始まる時点で、何月のどの週のどの時間帯で、どのような質問(質問のタイプと会派ごとの割り当て)が行われるかが決まっている。

そして事前通告の提出期限は2週間前となっている。

このように、諸外国では答弁作成時間に余裕があり、官僚が連日深夜残業を強いられる状況にはない。

また、審議日程も先まで決まっており、与野党による「日程闘争」が起きることもない。

長時間労働を改善できない「構造的な問題」
ではなぜ日本では委員会・本会議が決まるのが直前になってしまうのか。

今回の森議員の質問通告の件も、委員会開催が決まったのは2日前の昼間であり、議員個人の努力だけでは限界があることも事実である。

その理由について、以前取材した細野豪志衆議院議員はこう語っている。

「なぜ日程闘争が起こるのかと言うと、与党と野党の立場が分かれていて、与党の側は事前審査をしているから、国会の中身にあまり関心がなく、法案を通すことだけに関心がある。一方で野党の側は、問題がある法案をできるだけ先延ばしにして廃案に追い込みたい。与党も野党も日程闘争にものすごいエネルギーを割いていて、委員会の日程が前日まで決まらないことがほとんど」(細野氏)

出典:「霞が関で働きたい人はいなくなる」官僚の長時間労働は“機能不全”な国会のせい
日本の政策立案過程では、与党内で「事前審査制」と「党議拘束」が行われており、国会審議で法案修正が行われることもなく、野党として功績を上げる余地がほとんどない。

その結果、法案を廃案に追い込むための、「日程闘争」を行わざるを得ず、与党も審議拒否されないように、野党に配慮しているのが現状だ。

事前審査とは:内閣が提出する法案は与党内の部会で事前に審査され、総務会で決議される。

党議拘束とは:党の決定に従い、法案決議の際に自分の意思で自由に投票することを拘束される。結果的に議席過半数を与党が占めている場合には法案の修正が起こることは少なくなる。

会期不継続の原則とは:国会の会期が終わると採決の終わっていない法案は廃案となり、また一から審議となる。

今回、野党による「政府への事前通告簡素化」の提案を受け入れたのも、審議拒否をされて、法案が通らないことを避けるためであり、根本的な原因である、「日程闘争」しかできない構造自体を変えなければ、官僚の深夜残業も、形骸化した国会審議も改善することはできない。

そして、構造を変えるためには、与野党の協力が必須であり、野党だけで変えることは難しい。

むしろ、タイトな日程で法案成立を目論む与党の方が責任は重いかもしれない。

筆者が代表理事を務める日本若者協議会でも、「国会改革」に関する提言を各党に出しているが、若者の多くから国会は「有意義な政策議論の場になっていない」と思われており、若者の「官僚離れ」、「政治離れ」を止めるためにも、国会改革は急務である。

提案27:国会改革

・質問通告の2日前通告ルールを徹底する

・議員の質問提出日時を公開する

・日程闘争をなくすために、通年国会の導入

党首討論の定例化

提案の理由:

近年、国家公務員志望の学生が減っており、公務員の働き方改革のためにも国会改革は急務である。官僚の長時間労働の大きな原因の一つが国会対応であり、国会対応に関わる職員の労働時間を減らすためにも国会改革が求められる。

また、日本財団が17~19歳を対象に行なった調査では、国会が国民生活に役に立っているかの問いに、3割が「役に立っていない」とし、半数近くは「わからない」と答えている。

国会の議論に関しても、過半数が「知っている」、「多少は知っている」としているものの、54.8%は「有意義な政策議論の場になっていると思わない」と答え、その理由として「議論がかみ合っていない」、「政策以外のやり取りが多すぎる」、「同じ質問が繰り返される」などの点を指摘している。 これ以上、政治が若者から離れないように、国会改革は急務である。

出典:日本版ユース・パーラメント2019 報告記事(政策提言一覧)

室橋祐貴
日本若者協議会代表理事
1988年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、慶應義塾大学政策・メディア研究科修士2年。若者の声を政策に反映させる「日本若者協議会」代表理事。専門・関心領域は政策決定過程、社会保障、財政、労働政...もっと見る
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